日本の住まいは、靴を脱ぎ畳に座ると言う座の文化でした。
卓袱台をだしてご飯を食べ、それをしまって布団を敷いて寝る。
つまり多目的に使える畳の座文化で、家具をあまり持たずデコレートより簡 素にしつらえることが美しいとされていました。
それが、戦後一般家庭にも椅子・テーブルという家具が入り布団からベッドの生活が一般的になりました。
近年私たちを取り巻く生活そのものが色々と変化していています。
情報機器、輸送機器の発達によって、世界各国どこでも同じ情報を手に入れることが可能になり、指一本でいろんな事がコントロールできるような安全で便利な生活ができるようになりました。
しかし、本当に便利な事がいいのでしょうか?
生活全てを便利にしていいのでしょうか?
家事のさまざまな事がピッピッと指一歩んでできることは高齢者の生活やまた安全にもつながり、便利が効をもたらしいい事であると思います。しかし情報ばかりが先走りしリアリティーを欠くと便利さが害にもなります。情報機器ばかりに囲まれて育った子供が、現実とバーチャルの世界の区別がつかなく事件を引き起こしているのも現状です。
スーパーで売られている魚しか見た事がなかった子供が、魚が切り身で泳いでいると勘違いしていると報道された事があり驚きました。それは極端な例ですが。。。木や石にみえるビニールで覆われた空間で暮らしている子供達が、木の温もりを知らずに木と間違えて育つのは無理のない事です。昔をただ懐かしむというノスタルジー感覚だけでなく、本物の木のぬくもり、手触り、香りなどを知る事は人間の五感を発達させる事であり、こんな時代だからこそ大切なのではないでしょうか?食育という言葉が盛んに言われていますが、住育というのも大切な事だと考えます。
設備機器の発達により、私達は一年中同じ温度環境での快適(?)な生活を手に入れました。
しかし、本当に快適なのでしょうか?
心地よいってどんなことなのでしょうか??
春夏秋冬という四季がある風土の中で、一年中シャツ一枚で暮らせる同じ温度環境で暮らさなくてもいいのではないかと思います。確かに暑いときのクーラーの中での生活は気持ちよいです。でも自然の風が運んで来てくれる鳥のさえずりや虫の声で休日目が覚めるなんていうのも素敵ではないでしょうか?
リゾート地でなくても自宅でそんな風に暮らせたら心地よいかもしれません。
光がもたらす時のうつろいを感じ、風が運ぶ緑や潮風の香り、鳥のさえずりを楽しみ、肌に感じる風の心地よさを感じる生活。これが五感を感じる生活です。
生活の中で仕事以外に何を大切にして生きているのでしょうか?
・週末テニスの後 バーベキューでワイワイ楽しむ。
・ワインを飲みながら映画や音楽を楽しむ。
・バイクや愛車でドライブを楽しむ。
・友達家族とみんなでキッチンで料理を楽しむ。
いろんな家族の楽しみ方があります。そんな人間としての楽しみを大切にするのがその人のライフスタイルです。
五感を感じ、ライフスタイルを大切にする家
それが、光と風を感じ 風土になじみ 風景にとける家